イーロン・マスクについて思うこと

 

 

 イーロン・マスクって結構叩かれてるけど、起業家・発明家としては凄い人だと僕思うんですよね。そもそも、イーロン・マスクが日本で叩かれるようになったのって、Twitter社のCEOになって(我々ユーザーが好まない)改変をするようになってからではないでしょうか。

 

 

 

 

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 めんどくさいのでソース出しませんけど、こういう言説に溢れてた気がします(気になる人は“イーロン・マスク until:2022-12-05”とかで検索してみてくれ)。

 僕の周りも、「凍結が解除される」だとか「TLからネット左翼が消える」だとかでかなり盛り上がった記憶があります。が、彼らのこうした淡い期待はほぼ現実になることはありませんでした。と言っても、トレンドの下の部分にハフポストや朝日のルポタージュや記事は実際に表示されなくなりましたし、一部ユーザーのアカウントは復活しました(こんなの「天皇即位して恩赦になった」みたいなレベルやろwとしか思いませんが)。

 

 僕はイーロンがCEOになることに初めから批判的でした。イーロンはあまりにも政治思想が偏り過ぎています。後述しますが、イーロンの様なベンチャー志向の人間は、そもそもTwitterのCEOには不向きだからです。

 API有料化やTwitter blueの導入、「あなたへのオススメ」の固定化、インプレッションの表示、スペース機能やTwitterが一時期使用不可になるなど、彼の改悪は枚挙に暇がありませんし、彼はTwitterのCEOになるべきではありませんでした。が、僕はそれでもある意味では彼は天才だと思います。ただ天才と言っても彼の才能はジェネラリストではなく、スペシャリストであり、また冒険主義的過ぎると思うわけです(彼の半生についてはwikiでもなんでも見てくれ。まあ凄いから)。

 少し前から今のTwitterは───少なくとも日本では──、情報が氾濫していた事が大きな問題であったように思えます。さらに言えば、Twitterのユーザーの多くは、どちらかと言うと保守的であり、しかし人と繋がりたいと考えています。悪く言えば、引っ込み思案なのにお喋りな面倒臭い奴らです。

 ユーザーからすれば、改変は求めていません。彼らは住処が極端に変容することを拒みますし、寧ろ情報が氾濫し、求めていない情報が目に入るこの現状を止めて欲しいと考えていました。例えば、フェミニズムだとかSDGsの様なリベラル的な情報は、ユーザーからすれば目を覆いたくなる話でした。が、情報が氾濫した今、フォローしてなくても彼らの情報は流れる訳です。

 一応、イーロンはこれらの問題を解決しました。API有料化やあなたへのおすすめの固定化は、ある意味で「自分らが見たいと思ってる情報」がアルゴリズムで流れるからです。しかし、これがツイッターユーザーの耐えられない「住処の変容」だったわけです。

 

  変容を許さず、常に安定した設備を求める。これって、infrastructureの話だと思うんですよね。別に、新たなイノベーションを追い求めるベンチャー的カリスマ性は今のTwitterに必要なく、安定した公共空間の提供が必要な訳です。Twitterは最早社会インフラの一つであり、謂わば公民館だとか学校だとか駅みたいな存在だと思いますから、一々何か変わっても不便なだけです。そうなると利益を出すのが少し難しい気がしますが、metaやGoogleAmazonの様な既に社会インフラと化しているメガベンチャーでは莫大な利益が得られています。Twitterだけが何故赤字だったのか、僕は詳しくありませんが、少なくとも社会インフラとして考えるならばスペースXのイーロン・マスクという選択はあまりにも不適格でした。安定を求めるTwitterに、冒険を試すイーロンは正に油と水です。僕の意見を立証する様にイーロンは改悪し、ユーザーも反応しました。

 

 今、イーロンはTwitterのロゴや名前すらも変えようとしています。流石にやり過ぎですし、そろそろ彼を船から降ろすべきだと思います。が、これも一つのTwitterの宿命でもあると思います。

 

 考えてみれば、MixiやLINE以降、遡れば2ちゃんねるニコニコ動画以降、日本は新しいSNSを国産で作ることはありませんでした。InstagramTwitterも、剰えTikTokさえも外国のSNSです。外部のSNSを社会インフラにした末路がコノザマです。だったら、どこの会社でも良いから国産SNSを作るのはどうなんでしょうか。それこそ、今がその丁度いい機会なんじゃないでしょうか。